凡事徹底 2012年度スローガン
サッカーも、野球も、相撲も基本ができていない人にいきなりテクニックを教えたとしても何も身につきません。雨の日であろうと、炎天下であろうと、 来る日も来る日も基本練習を繰り返す。そこからおのずとテクニックが生まれてきますが「基礎練習なんかつまらない。」と、これを省いたら、永久にテクニッ クは身につかないでしょう。
鹿島アントラーズにジーコ監督が就任した時、チームに徹底させたのが基本練習でした。しかし、選手たちは「自分たちはプロだ。」と思っていますから、中学生や高校生がやるような練習を来る日も来る日もすることに嫌気がさしていました。
そして、ジーコ監督に「我々に一流のテクニックを教えて欲しい。」と言ったそうです。するとジーコ監督は「君たちは基本ができていない。そんな君たちにテ クニックを教えても無駄だ。テクニックというものは基本ができていればおのずと備わってくるものだ。」と答えたそうです。
当時、鹿島アントラーズはJリーグ最下位でしたが徹底的に基礎訓練を繰り返したことによってジーコ監督が就任した年に見事優勝したのです。基本ができていない選手がいいプレーができないように基礎的な訓練を積んでいない人、人間力がない人はいい仕事はできません。
基礎訓練が重要な理由はそこにあるのです。
私は技術を否定している訳ではありません。技術力は大事ですがその根底に大事なものがあるのです。これがないと一時的に成功しても、やがて、ほころびがで て来ます。世の中にはそういう例が沢山ありますが、やはり、根底をおろそかにすればそういうことが起きるのは当然と言えるでしょう。
たとえば5S委員会さんが取り組んでいる掃除も、「綺麗になればいい。」というものではありません。掃除は人間としての基礎をつくる訓練ですから、自らの手でやることよってそこから初めて何かが生まれてくるのです。
しかし、5Sを実践すれば「職場環境が良くなる。」と、わかっていても、「みんながやるのなら、やります。」とか、「少しずつやるようにします。」と言う 人がいます。これは「条件が揃ったらやりますよ。」と、いうのと同じことですが、条件というものは自分の思い通りに整うことなどありません。
また、「掃除をして儲かるんですか。」とか「本当に良い職場になるんですか。」と言う人がいますが、何ごとも「儲け」という尺度でしか物事の価値を見ない人にとって掃除は何の足しにもなりませんし、何の意味もないでしょう。実はそれが大きな問題だと思います。
誰だって面倒なことは省きたい。そして、労せずして儲けたいという願望を持っています。しかし、よく考えてみてください。大事なことは手がかかって面倒くさい。できればやりたくない。けれども、それを省くということは裏を返せば大事なことをしていないということです。
毎日、基礎訓練を繰り返すのは一見遠まわり道のようですが実は近道なのです。本年度は凡事徹底することをスローガンに掲げて人財を育成し、顧客満足度やブランド力に磨をかけて、更なる飛躍への第一歩を踏みだす節目の年にします。
2012年6月1日
株式会社ボクデン
代表取締役社長 景山良康
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