経営の信条

小学生の頃の一番の楽しみは、近所の焼肉屋で家族と焼肉を食べることだった。そこのおばちゃんは、私達家族にとても優しく接してくれたが、子供心におばちゃんが作る焼肉は旨くて、とても親切だったことを今でも覚えている。
現代における経営も、優れた商品をつくること、親切なサービスをすること、このおばちゃんがやっていたことと何ひとつ変わらない。我が社は、外食ビジネスを通して人々の心に豊かさと喜びをもたらすことを経営の信条としている。

品質の向上

2002年度にボクデン銀座店がオープンした。お陰さまで連日超満員のお客様で賑わっている。これは「超一流のレストランや料理店がひしめくマーケットに出店しても、ボクデンが提供する商品とサービスはお客様から高い信頼を得る」ということを証明することになった。しかし、銀座店の成功も単なる通過点にしか過ぎない。ひとつ一つの商品も、サービスもまだまだ完璧ではない。これからも、より良い商品とサービスを提供するために、更なる努力をしていくことを約束したい。

経営への参画

キッチンで美味しい料理をつくることに情熱を抱き、ホールで客席を廻ってサービスするスタッフひとり一人がボクデンの顔である。しかし、多くの企業は社員やアルバイトを消耗品のように扱っている。これでは感動的なサービスは生まれない。
外食ビジネスは、顧客に直接サービスするスタッフひとり一人に企業の社運が託されているのである。つまり、スタッフの対応次第で、顧客の心を掴んだり、失ったりするが、これは店舗を多店舗化する際にあらゆる企業が直面するジレンマである。
この難問に対する答えは、スタッフを一人の人間として尊重することにある。スタッフは自分が生活していくために収入を得たいだけではなく、仕事を通して自らの価値と尊厳を示したいのである。
我が社では各店舗の会議や委員会でスタッフが提案した意見やアイデアを積極的に取り入れ、方針やスローガンに反映させる。また、年に一度行われるボクデン経営方針発表会で、企業の発展に大きく貢献したスタッフに対して表彰状、金一封、海外派遣の副賞と共に全スタッフが盛大な拍手を彼らに贈る。
外食ビジネスの世界において、ひたむきさや情熱を生むためにはひとり一人のスタッフが仕事を自分の責任で捉える意識と、上司が部下を信頼し、彼らを積極的に経営に参画させることが不可欠である。

ビジネスパートナー

戦後、日本は急激な経済成長を遂げたが、その発展を支えたのは中小零細企業の経営者と社員である。当時、多くの経営者は、社員を自分の家族のように接し、寝起きを共にして仕事をした。社員も経営者から家族のように扱われて自らが持てる能力を最大限に発揮した。こうした勤勉で誠実な人々が日本経済の発展を支えたのである。
しかし、近年は企業の業績が悪くなれば、多くの社員を解雇し、企業収益を上げた経営者が株主から高く評価され、経営者が膨大な収益を得ている。企業にとって、社員よりも、株主が大切な存在であり、株主が得る収益が最も大きな関心事になっているが、ここには社員の人間としての尊厳は存在しない。
社員は取替えが効く機械の部品ではない。彼らも人間であり、自らの存在価値を示したいのである。もしも、社員を機械の部品のように扱うのであれば、社員も同じような姿勢でお客様に接するだろう。
企業経営を行うにあたって、勤勉に働く人々に光が当てられ、そのことを尊重する企業文化が存在しなければならない。そのような文化が存在してこそ、仕事に生き甲斐や誇りが生まれ、その人が持つ能力が最大限に発揮されてくるのである。経営者の能力も、株主の物質的な富も、人々を幸せにするために用いられなければ意味がないだろう。

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