原因と結果

   2015/08/04

月刊、理念と経営の8月号の“ありがとう経営のすすめ”には親に対する感謝の気持ちが薄い人は、お客様に対して真のホスピタリティを持つことはできない。そういう人が集まる職場は“永久に顧客満足経営ができない”と記されていましたが、その通りだと思います。

私達が一番お世話になった人は両親です。しかし、恩ある人に対して感謝の気持ちがないから、子が親を殺したり、親が子を殺す事件が頻繁(ひんぱん)に起きるのです。こうしたことは珍しくなくなってきましたが、昔から、親子が殺しあうのは天下が乱れる前兆(ぜんちょう)であると言われています。

本来、母は子を慈(いつく)しみ、子供を心から愛します。その母が子に殺されるのですから、尋常(じんじょう)の沙汰ではありません。まさに妖怪ですが、感謝力が希薄な人は自らの人生を、自らの手でメチャクチャにします。そして、職場でもたびたび問題を起こします。

仏教には“因果応報(いんがおうほう)”という教えがありますが、目の前で起こる現象には原因があって結果があるという意味ですが、子が親を殺すという結果は、育てた母親に原因があり、いま目の前に起きていることは起こるべくして起こったということです。

この因果応報の法則について伊與田先生は“論語の対話”で「因果応報の法則を理解せず、あれこれ理屈をつけるのが愚痴(ぐち)。因果応報を悟っている人は愚痴を言いません。わかったようで、わからない人が愚痴を言うわけです。」と述べておられますが、伊與田先生が言われるだけに説得力があります。

母と子がお互いに感謝する心、「ありがとう」という気持ちがあれば幸福が訪れますが、母と子が互いに憎みあえば争いが起こります。母と子が幸せを分けあうことができれば幸せは余りますが、母と子が奪いあえば悲劇が起こります。

これは経営にも同じことが言えます。お客様や職場の同僚に対して感謝する気持ちや「ありがとう」という心が(因果)「どうしたら、もっとお客様が喜んでくださるか。」というマインドを高めて、顧客満足経営や改善運動といった良い結果(応報)が生じてくるのです。

今年も“ありがとう経営推進委員会”の皆さんが中心になって「ありがとう作文」「ありがとうカード」の啓蒙をしてくれていますが、同じ釜の飯を食う仲間が、お互いに感謝する心があってこそ良好な人間関係、より良い職場にしていくことができますから、皆で協力して推進していきましょう。

2010年7月13日 AM6時20分 北海道ファームにて
大将 景山良康

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