H&Mとフォーエバー21

   2015/08/04

日経ビジネスに「ニューヨークのスターバックスは空いているのにダンキンドーナッツには毎日、店頭に行列ができている。」とありました。アメリカでは「不景気でコーヒー1杯2ドル以上払う顧客が少なくなったということですか。」と、ニューヨークでレストランをしている先輩に尋ねると、「ダンキンドーナッツはコーヒーとドーナッツを注文しても1ドル少々だからな。」とのことでした。

しかし、単純に「高いものは売れず、安いものなら売れる。」と考えない方が良いと思います。大手チェーン店は生ビールも、料理も280円均一価格という低価格路線に舵を切っていますが、不況だから「安くなければ売れない。」という訳ではありません。むしろ、景気が悪いからこそ、お客様が納得する付加価値を提供することが大事です。

①センスの良い味と盛りつけ。②地産地消と安心、安全。③しゃれた商品デザイン。④スタッフの笑顔。⑤スタッフの元気。⑥スタッフの礼儀正しさ。⑦心地よい時間を過ごせる空間が求められていますが、これは外食ビジネスだけではなく異業種にも同じことが言えるでしょう。

たとえば銀座の「H&M」や青山の「フォーエバー21」は快進撃を続けていますが、安いから売れているのではありません。安い服なら、どこだってあります。では、どうやって「H&M」や「フォーエバー」は付加価値を高めているのでしょうか。

①商品はシンプルですが洒落た色彩と色とデザイン。②小ロット多品種。③センスの良いディスプレイ。④3000円代で販売しているドレス(目玉商品)。⑤シャンデリアがある店内空間。⑥洒落た服を着てテキパキ接客する女性スタッフ。これらの付加価値が価格を超えた価値になっているのです。

今回、銀座ボクデンの改装工事の際に「どうしたら女心をとらえることができるか。」ということを念頭におきましたが、ガラス製の大型シャンデリア、葉っぱをあしらった布製の椅子、斬新なワインリスト、葡萄をあしらった大型黒板、背もたれが付きの布張りカウンター席等、H&Mやフォーエバー21を参考にして今までボクデンになかったものを採用しました。

近年、東京地区には韓国料理店が筍(たけのこ)のように出来ました。主力ドリンクは焼酎とマッコリ。主力商品は韓国料理。内装はどの店も韓国的です。うちの戦略課題はこれらの店と一線を画した魅力を構築することですが、それには異業種のノウハウや経営手法からも学んで商品や品揃え、店づくりも革新していくべきです。

しかし、立岩委員長や原田さんに「ワインを主力商品に育てよう。」と私が提案すると「絶対に売れません。」と猛反対されましたが、「韓国料理店=マッコリと焼酎を売る。」これは今までの風習や経験といったものが固定観念になっているのです。この固定観念が曲者ですが、お互い、石頭にならないように気をつけましょう(笑)。

2010年6月16日 AM3時20分 広島ビジネスホテルにて
大将 景山良康

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